会長挨拶

写真:塩崎先生

2022年4月1日
奈良先端科学技術大学院大学 学長
塩﨑 一裕

この度、酵母遺伝学フォーラムの第20代会長を務めることになりました 塩﨑一裕です。どうぞよろしくお願いいたします。 

1969年に酵母研究者の集まりとして始まった本フォーラムですが、私が京都大学の大学院生として初めて参加した当時は「酵母遺伝学集談会」と呼ばれていました。「集談会」という、どこか歴史を感じさせる名前のその会には、学部生・大学院生から後にノーベル賞を受賞される大隅良典先生をはじめとする著名な先生方まで幅広い年代の方が集まり、決して堅苦しくないフレンドリーな雰囲気でありながら、交わされる議論の熱気は、研究に片足を踏み入れたばかりの学生であった私にもコミュニティーの一員となった喜びを感じさせてくれるものでした。

大学院卒業後、20年近くを米国で過ごして帰国した時には、酵母遺伝学集談会は「酵母遺伝学フォーラム」という現在の名称に変わっていましたが、その気さくな雰囲気と酵母を愛する学生や研究者たちが集う伝統はそのままで、この会に戻ってこられたことを大変嬉しく感じました。このフォーラムには、大学からだけではなく、様々な研究所や企業の方々も含めて多様な会員がいらっしゃり、毎年、開催されている研究会では基礎的な生物学的研究から発酵などの応用研究まで、多面的な酵母の魅力と面白さを堪能することができます。

ゲノム解析や情報科学、そして測定技術などの発達に伴って生まれつつある新しい研究アプローチの実験場としても、酵母は重要な役割を果たしてきました。生物学の新しいトレンドを切り開いてきた、そんな生き物であると言えます。本フォーラムが、酵母研究のプラットフォームの一つとして我が国の研究者コミュニティーに貢献できるよう、微力ながら尽力していきたいと思います。